審議したのは7月6日土曜に放送されたテレビ番組「西日本豪雨1年 広島の被災地はいま ハードの復旧や住宅の再建・・・被害はまだ終わらない」(16:00~17:24)です。西日本豪雨から1年という節目に放送した番組です。
【制作担当者の説明】
今回私たちは、2つの特別番組を放送しました。一つがこの審議番組で、タイトルにもあるように、復旧や生活再建における課題などを中心に記者やディレクターが1年間被災地の方々と会話し、取材を続ける中で積み上げてきたものを確認し、まとめた番組です。もう一つは、この番組が放送された前日、「イマなま」を約3時間の枠に拡大して、新たに始まった大雨警戒レベルなど、気象に関する発表と避難行動などについて視聴者に理解してもらいたいと番組制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 当時の映像と比べると随分きれいになっているが、直し切れていないものがまだたくさん残っていて、復旧は長期戦になることがわかる。インタビューを聞いていると被災地で生きていこうとする被災者のたくましさも感じることができました。
- 20年前被災された方が経験を語っても、経験をしていない人には伝わっていなかったという言葉を聞いて、経験を伝える難しさを感じました。
- 一つ一つ強烈な印象のコンテンツが流れてきたので、全体構成を把握できるようなアナウンスがあれば良かったのではないか。
- 被災地で130人もの人にアンケートをし、現地の生の声を届けられたことは良かった。
- 事実を伝え、風化させない、身近に感じてもらおうという姿勢は理解できる。一方で、被害に遭われた方が過去を確認するのではなく、前に進んでいただけるようなコンテンツが良いのではないか。
- 被災して絶望的になっているところに、命は助かったのだからと生きていく希望を与えることが重要であり、それが政治。その政治の情報を流すのはメディアだと思う。今回の参院選の投票率も低かった。メディアには、自然災害にも政治にも視聴者へ理解や啓発を促す情報のかけ橋になってほしい。
- 被災者の生活や人生に寄り添ったやさしい番組でした。もっと愛ある番組にするにはと考えてみました。警察や消防、ボランティアなど、人命救助や災害復旧などに尽力された方々への被災者からの具体的なコメントを盛り込んだらよかったのではないか。
【番組担当者の返答】
安全なところに避難して欲しいと伝えているが、それは必ずしも避難所ということではありません。今いる場所が危険なのであれば、その危ないところから離れて安全な場所に行って欲しいとこれからも伝えていきたい。被災地でのアンケートについて、せっかくいただいた生の声をもっと生かせばよかったと反省しています。交通や物流など、災害で浮かび上がった問題点を引き続き取材し、ニュースや経済番組eタウンなどで伝えていきたい。