ヒロシマの黒い十字架
 中国放送は、原爆をテーマに、犠牲者の鎮魂と21世紀の核兵器廃絶の願いを込めて20世紀末を迎えた2000年11月に制作・放送したラジオ番組ドキュメンタリードラマ『ヒロシマの黒い十字架』(主演 日色ともゑ)で、平成12年度文化庁芸術祭ラジオ部門で大賞を受賞しました。
 その後、「番組を平和学習などの場で聞きたいのですが」といったご要望もいただき、中国放送では番組をCDとして発売することになりました。
 60分、価格2500円(税込み・送料500円(枚数に関わらず))で、RCC放送会館(広島市中区基町)南館1階のRCC事業部、ジミー・カーター・シビックセンター(甲奴郡甲奴町)で発売しています。
 CDをきっかけに、ドラマ中の少女文恵(ふみえ)ちゃんのような世代の子どもたちや周囲の大人たちが命の重みを考える機会になればと願っています。

 ヒロシマの黒い十字架 

放送:2000年11月26日(日) 13:40〜14:40(60分)
再放送:2000年12月23日(土) 20:00〜21:00

<制作のねらい>
 戦争の世紀と言われた20世紀最後の8月6日、広島市民は原爆犠牲者を追悼し、あらためて21世紀に向けて核兵器廃絶を求め続ける決意をしました。このドラマは、今も広島市に残存して物言わずあの日を語りつづける被爆ピアノと黒い十字架から生まれた空想ファンタジーを機軸に、実際の被爆証言を加え、時空を超えて幻の少女を鎮魂するドキュメンタリー・ファンタジー・ドラマです。広島の放送局としてRCCラジオは、戦争の世紀シリーズ第9弾のこのドラマで平和の尊さと命の重さを訴え、広島の核兵器廃絶の願いを21世紀につなげます。

<内容>
 13歳の夏、少女・浅岡文恵は広島で死んだ。原爆とは知らず、死んだとは気づかずに・・・。この日、建物疎開に動員されていた12歳から15歳くらいの男女生徒およそ6300人が被爆して亡くなった。
 あれから55年。ある日矢島治子は夢の中で、平和記念資料館にある被爆ピアノを通して女学校で同級生だつた13歳のままの文恵の幻と出会う。原爆の閃光で一瞬のうちに白い闇に封じ込められてしまったのであろう文恵の魂が、救われますようにと祈りを込めて、治子は語りかける。文恵は動員中に被爆しながらも生き延びた女性たちの証言を聞いて、被爆の実情を知る・・・・。

<主な出演者>
矢島治子役:日色ともゑ(劇団 民芸)
浅岡文恵役:狩野直美(元劇団四季)
賛美歌合唱:広島女学院中学高等学校、エリザベト音楽大学

<被爆者の証言>
岡 ヨシエ:当時軍管区司令部地下壕から原爆投下の第一報を伝えた動員学徒。(広島在住)
笹森恵子:建物疎開の学徒動員中に被爆、大火傷後に臨死体験。
       原爆乙女の一人。(カリフォルニア州在住)

<2000年8月6日 平和宣言>
広島市長:秋葉忠利

<2000年8月6日 平和への誓い>
こども代表:岡田佳那子 、横田 翔

<作>
毛利恒之
1933年、福岡県生まれ、作家、脚本家
1964年、テレビドラマ脚本「十八年目の召集」で第1回久保田万太郎賞受賞。放送作品に文化庁芸術作品賞、文部省芸術祭奨励賞、内閣総理大臣賞、放送文化基金賞本賞、ギャラクシー賞など多数。著書に「地獄の虹」「月光の夏」「虹の絆」など戦争をテーマにした作品が多い。全国で200万人を動員した93年公開映画「月光の夏」では、脚本・企画プロデューサーも手がけた。

<音楽>
横山菁児
1935年、広島市生まれ、作曲家
1957年国立音楽大学作曲家卒業、以来、東京でラジオ・テレビ・映画の作曲を手がける。1998年より、小学校5年生から中学校卒業までを過ごした広島県甲奴郡甲奴町に帰郷。
主な作品に、NHKラジオ「カキクケコ カキクケコ」(1973年・国際教育番組コンクール日本賞<文部大臣賞>受賞)、日本テレビ「野生よ永遠なれ!これがキタキツネだ」(1982年・動物愛護映画コンクール最優秀賞<内閣総理大臣賞>受賞)、テレビ朝日アニメ「聖闘士星矢」(1986〜1988年・第5回日本アニメ大賞音楽部門最優秀賞受賞)、アニメ映画「とべないホタル」(1990年・教育映画祭優秀作品賞受賞)などがある。

<主なスタッフ>
プロデューサー:
牧野睦夫
企画・演出:
三村千鶴
効果:
上床直人
調整:
島田輝敬、三原明

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