Eタウン
2005年5月21日
〜農業塾がおもしろい〜「食は大地から」
第N次産業
「農業はもちろん第一次産業ではありますが、生産量を第一に考えるあまり、やがて補助金漬けにされてしまった。門藤さん親子のこころみを見ていると農業だけでなく<ネットワーク>がいかに大事であるか感じました。農業のN、ネットワークのN、いろんなことを考えながら発展していって欲しい。僕も農業塾に行ってみようかな」
コータリ人形
■手間ひまかける、安心&安全な食への期待感up!
Eタウンでは不定期にスローライフを取り上げていますが、今回は東広島市で大地に根ざした自然農法を実践する親子にスポットをあてました。手間ひまかけてじっくり土と向き合う中で見えてくる、これからの農業のあり方とは?また、生産者と消費者をつなぐ、ユニークな交流もご紹介。

「2004年に農林水産省がまとめたデータによりますと、『消費者が生産者に今もっとも望んでいること』の中で、一番多かったのが51.1%の<安心・安全>です。<安さ><美味しさ>よりも、はるかに関心が高くなっているんですよ」
「<安心>には、新鮮さや美味しさも含まれているように思います」
「激安ブームの頃、食の安全神話が崩壊したからね。必然的な意識の流れでしょう」

■10年先を見つめる自然農法のプロフェッショナル親子
東広島市福富町で農業を営む門藤温三さん(70)と浩矢さん(31)の親子は、「生きた土が本物を作る」という信念のもと、化学肥料を使用しない自然農法で米や野菜を作り続けています。20年前に農薬等が原因で肝臓を患った温三さん、半年間の療養生活を経て、自然農法をやってみようと一念発起。さまざまな情報を集め、試行錯誤の末、自然の力で自然をコントロールする新しい農業を確立。 「農薬をいっぱい使うような農業なら俺はやらなかった。生産から販売までお客さんとつながってやっていくシステムにも魅力を感じています。やわらかい頭で考え、いいものはどんどん取り入れて行きたい」と、農業学校を卒業した浩矢さんもお父さんの考えに賛同。頼もしいですね!
門藤さんの作るオリジナルブランド米「わが家の安心米」は、一般のものより少し割高になりますが、健康指向の今、かなりの人気とか。年間契約の消費者に希望の時期に宅配するサービスも好評です。

「県内では田植えシーズンたけなわですが、門藤農園では、夏と秋の気温差を稲に経験させていい米をつくろうと、まだ田植えをされていないそうです」
「息子さん、10年後はまだ読めないとおっしゃってましたけど、いろんなことを考えながらやらなくちゃいけない農業って、ホントにタイヘンだ」

■生産者と消費者の顔の見えるステキな関係
門藤さん親子の農法をそのまま体験出来るのが農業塾「沙羅樹楽舎」。今年で8年目を迎えますが、毎月第二土曜日に開催されるこの青空セミナーには、地元だけでなく広島市や遠くは大竹市などからも参加があり、注目の高さがうかがえます。塾長の温三さん自らがクワを振い、塾の卒業生らが初心者の指導にあたります。専門的な技法まで、文字通り手取り足取り、和気あいあいで教えてもらえるとあって、塾生の中にはプロ農家の方や家族同伴の方も。季節に合わせたプログラムのほか、「アイガモレース」「もちつき大会」などのイベントも充実。
「たくさんの人に関わってもらって、喜んでもらっています。なにか少しでも(自然農法普及の)手助けができたんじゃなかろうかと思っています」と温三さん。やっぱり「食」の源となる「農」は、自然からかけ離れたものであってはダメなんですね。門藤親子の熱い思い、確実に大きな実りを見せています。
門藤農園のお問い合わせ 東広島市福富町 082-435-2935
「鮎は苔を食べるから美味しい。つまり野菜も住んでいる土地の養分をどれくらい吸収出来るかで旨さに差が出る。美味しいものを食べる人間もやがていい香りがしてくる。皆さん、そんな顔してました」

「食べる側が農業を支えるんですね」



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