Eタウン
2005年8月13日
自然の中で感動体験「めざせ源流!よみがえれ里山」
完新世(かんしんせい)
これは最近生まれた地質学用語で、ここ一万年の気候が温暖だった時代を指します。長い時間をかけて我々の文明もゆっくり発展してきたんですが、自然の中に身を置くという行為はその一万年間をリセットすることに繋がる。勝ち組も負け組もない。自然にはすべてに意味がある。原点に立ち返ることで、そんな意識を開かせてもらうのも大事なことに思えます。
コータリ人形
■楽しみながら環境保全の芽を育てる方法
地球温暖化や、資源の枯渇といった環境の悪化が懸念される一方、具体的なアクションを通して自然の大切さを実感し、身近な環境再生に意識を向ける人たちも増えて来ました。番組ではそんなふたつのケースをピックアップ。一人一人が環境を守ること、それこそが広島を元気にする源です。あなたもいっしょにいかがです?
「東京から広島へ越して来た人はみんな言うんだよ。釣りはできる、すぐ近くに山もある、キャンプもできる、ホント遊ぶ所が多くて困るって」

「それだけ豊かな自然が残っているってことなんですね」

■源流訪ねて120キロ。わんぱくツアーで元気ハツラツ
この夏、瀬戸内海に浮かぶ江田島市柿浦小学校の児童たちが、県内で二番目の標高を誇る冠山(1339m)で、太田川の源流を訪ねる一泊二日の旅にチャレンジしました。川が海と出会う場所から溯り、最初の一滴が生まれる現場を実際に見るという貴重な体験を通して、子供たちに自然の循環の不思議を肌で感じとってもらおうというもの。ナビゲーターは環境教育に20年間も関わってきた吉和自然文化教育センターの竹田隆一所長。
「本当の学問の喜びは自然の中に潜んでいるんです。それを子供たちに見つけさせてやりたい。小学生は生きるエネルギーのかたまり。まずは自然と楽しくふれあうことによって、身近なものを大事にする気持ちも芽生えるんじゃないでしょうか。そして私たち教える側も自然に対して謙虚に接しないと、偏った環境教育になってしまうんです」。さすが、全国森林インストラクターでもあり自然体験学習の第一人者として知られる竹田さん、シンプルだけど理にかなったポリシーです。
子供たちもテント張りや、沢登りをこなすうち、目が活き活きと輝きを増し、そしてクライマックスの冠山登山では、山頂でそれぞれの将来の夢を大声で叫ぶほど。やっぱり人間の元気の源は自然だ!

「島の子供たちも頑張りましたね〜!」
「沢登りって高度なスポーツなんですよ。困難だからこそ、自分とも向き合えるんだ。ボクは『危険です』って言われてやらなかったけど」

■荒れた森を救え!里山再生ボランティアの実のある取り組み
地域の荒れた森をよみがえらせようと、森林再生に立ち上がったのは「阿品の森サポータークラブ」。廿日市阿品台に住む住民を中心に、2002年11月に結成されたボランティアグループです。メンバーの平均年齢は56歳とやや高めながら、若い人に負けないバイタリティと創意工夫で、毎月第2・第4土曜日、四季に応じた作業を展開中。その甲斐あって、森は少しずつ整備され、今では見違えるほど元気を取り戻しました。
森の一角に設けたビオトープには、なんとこの6月にホタルの姿も見られたとか。手をかければかける程、それがちゃんと目に見える成果としてあらわれることにメンバーもやりがいを感じ、環境ボランティア同士のネットワークも着実に広がっているようです。森の中での和気あいあいとした作業が織りなす人の縁も、なかなかオツですね。

「森林ボランティアは年々増え続けていまして、林野庁の調査では2年前の時点で1200団体もあったそうです。ちなみにこの阿品の森サポータークラブは、RCCが環境問題の取り組みを支援する第2回エコロジーファンドの大賞を受賞しています」
「森林ボランティアなんて一見すると大変そうなのに、みんな嬉々としてやってる。やってみれば面白くてどんどんハマっちゃうんだろうな」


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