特 別 番 組
RCCテレビ「チンチン電車の鐘が鳴る」
放送 2001年8月6日(月) 16:00〜16:54
終了しました

■企画意図
「太平洋戦争の戦火がますます激しさを増していた昭和20年。労働力不足から広島の路面電車の運転士として働くことになったある女学生と、電車が大好きな小学生の弟が、原爆に遭い、家族を失いながらもたくましく生き抜こうとする…」
原爆投下からわずか3日後に復旧し、人々に希望を与えた「チンチン電車」の史実をもとにしたこの物語を、広島市出身の舞台女優が、一人語りで再現する取り組みを続けている。
番組では、あの日の惨禍を語ることのできる被爆者が減っていく中、被爆体験の無い世代が子供たちへ被爆の実相をどう伝えていけばいいのか、ある女優の活動を通して考える。

■番組内容
東京都豊島区に住む女優 蒔村三枝子(まきむらみえこ)さん(47)。広島市西区出身で被爆者を父に持つ被爆二世です。
観音高校を卒業後上京。演劇の道を志し劇団に所属しますが2年で退団。その後はナレーションの仕事や単発の芝居を細々と続ける程度で、女優としての人生は決して華やかではなかったといいます。
そんな蒔村さんが原爆をテーマにした舞台に挑戦しようと決めたのは、おととしの暮れのことでした。原爆という大変な兵器を生み出した20世紀が終わる年に、被爆二世として、女優として、次の世代へつながる何かを始めたい…。
蒔村さんが選んだのは一人語りという舞台で被爆の歴史を伝えようというものでした。
蒔村さんは、去年9月、東京でこの取り組みの第一歩を踏み出します。自宅近くの芝居小屋で3日間、1時間を超える一人語りをこなしました。しかし、つてがまったく無かったため、次の公園の見通しは立たないまま。後には借金だけが残り、厳しい現実と直面します。
「できれば子どもたちにみてもらいたい…」そんな希望を待ち続けていた蒔村さんに、今年の5月願ってもない話が舞い込みます。去年の公演をみた人の紹介で、広島市の小学校で公演できることになったのです。しかし、小学校での公演が正式に決まった時には本番まですでに1ヶ月きっていました。原爆の史実を語り継ぐうえで、当事者から直接証言を聞いておきたい。そう常々感じていた蒔村さんは、猛練習の合間を縫って、一人語りに登場する広電家政女学校の元女学生に会う為広島を訪れます。
広島電鉄の車庫で元少女運転士の3人と面会し、現役の被爆電車に乗りながら当時証言を聞く事が出来きました。
7月16日、爆心地の小学校、本川小学校で3年生以上200人の子供たちを前に公演が行われました。
自分の思いが子供たちに伝わったか心配していた蒔村さんに、公演後子供たちから思いがけず感想文が届けられました。蒔村さんはこの取り組みを続けていこう、続けなければいけないと、決意を新たにします。


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