広島大学放送公開講座


テレビ科目テーマ 「口は健康のバロメーター」

 近年における生活習慣病の増加は著しく、これに起因する死亡率も増え続けている。そのような生活習慣病の大きな原因の一つに国民の生活の近代化に伴う食生活の荒廃があげられる。一方では、生活習慣病を予防する国家的対策がなければ、いずれ健康保険の財政すら崩壊するとまでいわれている。ところで、一生健全な食生活を持続し、生活習慣病を予防するためには、咀嚼機能(口腔機能とそれを支える脳の機能)の健全な発育、機能維持、及び失われた機能の再建が大切であることはいうまでもありません。
 これまで広島大学歯学部では、上記のような考え方のもとに歯科医学における教育・研究と臨床に携わってきました。そこでこの度の6回の放送番組では、生活習慣病を予防するために不可欠な口腔機能の健康の重要性について、最新の実績と情報に基づいて幅広く解説する予定です。

中国放送 午前5:30〜6:00 毎週土曜日(テレビ科目)

放送回 放送日 中心テーマ 各 回 の 内 容 担当講師
10月6日 よく噛むことの大切さ  近年における食生活の荒廃が生活習慣病の急激な増加の大きな原因となっています。とくに、あまり噛む必要のない軟らかい食品の氾濫が私達の心身を徐々に蝕んでいます。その実態と今後の対応について考えてみます。 歯学部 教授

前田憲彦

10月13日 口腔細菌が全身の健康を脅かす?  う触と歯周病はどちらも口の中に棲む細菌が引き起こす感染症である。最近の研究からこれらの疾患は単に口の健康にとどまらず、全身の健康を脅かすリスク因子であることが明らかにされてきている。この点について解説し、私共の研究室で行っている歯周病菌の病原性研究の取り組みを紹介する。 歯学部 教授

菅井基行

10月20日 歯周病と生活習慣病  歯周病(歯槽膿漏)は口の中の細菌が原因となる歯の周りの組織の感染症です。歯周病と、心臓血管障害、動脈硬化、糖尿病の悪化、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産など全身的な病気との関わりをお話します。 歯学部 教授

栗原英見

10月27日 知っておきたい薬の知識  近年、多くの優れた薬が開発された。一方、副作用も多く報告されている。薬を安全かつ有効に用いるには、薬はどのようにして作用し、どうして副作用が生じるのか、薬の飲み合わせ、食品との意外な相互作用などについて知っておくことが大切です。 歯学部 教授

土肥敏博

11月3日 失われた歯と健康を取り戻す  歯が失われると、かめない、見た目が悪い、しゃべりにくいなどのさまざまな問題が生じ、心や体の健康まで損なわれる。そこで問題解決のためにどのような治療法があるかを最新の話題を交えて紹介する。 歯学部助教授

佐藤裕二

11月10日 遺伝子が語る口腔の病気  遺伝子は私たちの生命の設計図です。最近その設計図の少しの違いが、いろいろな病気のなりやすさと関係していることがわかってきました。今日は顔、顎や口にできる病気と遺伝子の関係さらに、その診断や治療法についてお話をします。 歯学部 教授

岡本哲治


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