聞き手 RCCテレビ  田口麻衣アナウンサー

ひとたび発生すれば、多くの人命と財産を奪う大地震。西日本でも大規模な南海地震や芸予地震の発生が予測されています。
しかし、いつ、どこで、どの程度の地震が発生するかはまだ正確には予知できません。発生確率は低いが危険度が極めて高い大地震から、私達はどのように安全を確保すれば良いのでしょうか。
本番組では、この分野で日本を代表する広島大学の研究者が、地震の発生機構と予測、活断層の危険性、液状化現象、地震防災の最前線をわかりやすく解説し、地震災害を軽減するための方策を一緒に考えます。

<放送のご案内>
  第1回第2回第3回第4回放送時間
放送日(毎週土曜)11月1日11月8日11月15日11月22日午前5時15分−5時45分
再放送(毎週日曜)11月2日11月9日11月16日11月23日深夜2時50分−3時20分
再々放送(毎週月曜)12月1日12月8日12月15日12月22日午前5時00分−5時30分
(再放送、再々放送の放送日時は変更になる場合があります。)

第1回 地震はいつ、どのように起こる?ゲスト: 田島 文子(広島大学大学院理学研究科教授)
地震の発生を正確に予知することは、現代の科学技術をもってしても非常に困難です。しかし、どの位の期間に、どの辺りで、どのくらいの規模の地震が発生するかは、過去に起こった地震の研究から大よそ予測できるようになってきました。地球内部の営みによって発生する地震は、地球の特定の場所に集中しています。日本列島はそのような震源地帯に囲まれ、これからも大小さまざまな地震に襲われることは確実です。南海地震や芸予地震が中国地域を再び襲うのはいつ頃になるのか、そしてその規模は?米国の大学で長年地震研究に携ってきた田島教授が最新の地震科学を紹介しながら、地震発生のメカニズムと予測方法をわかりやすく解説します。
第2回 活断層はどのくらい危険なのか?ゲスト:中田 高(広島大学大学院文学研究科教授)
5千名もの人命を奪った阪神大震災の光景は、今でも私達の記憶に生々しく残っています。この大震災を招いたものは、野島断層と呼ばれる活断層の断裂による直下型の地震でした。その活断層とは一体どのようなものか?活断層はなぜ危険なのか?どのような被害をもたらすのか?活断層を見分ける方法は?活断層に記録されていた過去の地震履歴とは?活断層の断面が予告する将来の地震とは?そして広島県内の活断層の危険度は?野島断層の第一発見者である中田教授が国内外の数多くの調査で明らかにしてきた活断層とその被害の実態、海外での取り組みなどを豊富な映像で解説し、活断層による直下型地震の被害を最小限に食い止めるための取り組みを提言します。
第3回 液状化と流動する地盤ゲスト:佐々木 康(広島大学大学院工学研究科教授)
地面から噴き上がる砂、土中に沈みゆくビルディング。そして広範囲に流動する地盤。地震に伴う地盤の液状化と流動は地上の構造物に想像以上の被害をもたらします。しかし、液状化現象がわが国で注目されるようになったのは、大規模な液状化被害が発生した新潟地震からで、比較的最近のことです。一体、地盤の液状化現象とはどのようなものなのか?液状化現象が発生するメカニズムと条件は?液状化現象はいつ、どこで発生するのか?液状化研究の第一人者である佐々木教授が、わが国で発生した液状化現象の実態を解き明かし、液状化による被害を軽減するのに有効な対策を解説します。振動台を用いた液状化現象再現実験の模様は必見です。
第4回 災害軽減対策の最前線ゲスト:佐々木 康(広島大学大学院工学研究科教授)
親父はともかく、地震、雷、火事は依然として恐い存在です。しかし、火事はもとより地震や雷などの自然災害も私達の生活様式と深く関わっており、社会の仕組みと表裏一体です。ですから「災害は生命、財産、社会が関わる秩序の破綻状態」と言えるのです。強い地震動、断層の亀裂、斜面崩壊、液状化、津波などによる施設被害は社会機構を麻痺させ、社会秩序の大きな混乱をもたらします。私達は災害に強い社会を創らねばなりません。文部科学省の地域貢献特別支援事業による地域防災ネットワーク構築の先頭に立つ佐々木教授が、新しい発想に基づく災害軽減対策を提言し、その実現に向けて動き出した広島の災害軽減対策の最前線と将来像を解説します。


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