21世紀の真の日韓協力を求めて
〜文化・環境・歴史分野を中心に〜
聞き手:RCCアナウンサー 桑原 しおり RCCアナウンサー桑原 しおり
本企画を通して、現在を生きる私達、日韓両地域住民に与えられた日韓協力の今日的課題について考えます。グローバル・ヒュ−マニズムに基づいた「東アジア人共同体」構築のための実践課題を、文化・環境・歴史分野でそれぞれ析出していきます。まず、韓流という日韓文化交流の過去と現状を踏まえながら、今後の文化協力のあり方について考えます。また、大量生産・大量消費・大量廃棄の世界一の集積地である東アジア地域における日韓環境協力について、京都議定書のクリーン開発メカニズムのあり方と、日韓循環型社会構築の課題を考えます。最後には、以上のような協力を実現するために欠かせない、日韓歴史共同体構築のための実践課題を具体的に提案していきます。

<放送のご案内>
第1回2005年11月5日(土)午前6時00分−6時30分 RCCラジオ
第2回2005年11月12日(土)午前6時00分−6時30分 RCCラジオ
第3回2005年11月19日(土)午前6時00分−6時30分 RCCラジオ
第4回2005年11月26日(土)午前6時00分−6時30分 RCCラジオ

第1回 韓流で見た日韓交流を求めてゲスト: 尹 光鳳(広島大学総合科学部 教授)
今までの日韓交流は政府レベルで行われることが主流でした。しかし、現在では、観光、留学、ビジネスなどで、往来している人々が増えており、このような文化・経済交流が日韓交流を支えているといえます。特に、近年、日本と韓国をめぐるメディアや大衆文化の関係は劇的に変化しています。韓国での日本大衆文化の開放、日本での韓国ドラマが韓流と呼ばれ大ヒットしていることがその例です。これは両国の未来のためにも良いことです。まだ日韓の間には微妙な問題も残っていますが、かつてないいい時期を迎えています。このような状況を今後どう続けていくかが課題です。企画の第1回目にあたって、日韓交流の歴史を振りかえながら、現在興っている韓流ブームを通して、日韓交流の未来像について考えます。
第2回 地球温暖化防止のための
     東アジア国際協調のあり方
ゲスト:羅 星仁(広島修道大学人間環境学部 助教授)
最近の環境問題は、一国内にとどまらず、国境を越え、さらには地球規模まで広がっています。このような地域や地球環境問題を解決するために、現在さまざまな取り組みが行われています。しかしながら、その成果はほとんどなく、地域あるいは地球環境問題は一層深刻になっています。特に、最近の中国の急激な経済成長とともに発生する東アジア地域における環境問題、たとえば、酸性雨や海洋汚染問題や黄砂問題などの地域の環境問題だけではなく、地球温暖化のような地球環境問題も深刻になっています。企画の第2回目では、このような状況を踏まえながら、地球温暖化対策の一つであるクリーン開発メカニズムを通じて、東アジアの国際協調のあり方を考えます。
第3回 地球環境破壊を断ち切るための
     日韓環境協力の課題
ゲスト:李 東碩(広島大学総合科学部 助教授)
1980年代以降、産業のIT化と金融のグローバル証券化に伴う環境技術(Environmental Technology)の著しい発展の中で、ET超国籍企業を頂点とする産業間・企業間の世界重層化が加速しています。日本をはじめ、先進諸国は循環型社会を掲げ、国内の環境管理体制を強化しています。同時に、京都議定書など、国連をはじめとする超国家的機関による陸・海・空の世界環境管理体制も構築しています。企画の3回目では、まず、社会環境の悪化による生活権と自然環境悪化による生命権の悪循環、つまり、世界大多数の人々の「環境権」が如何に脅かされているかについて考えます。そして、草の根の東アジア人による「東アジア人環境共同体」構築に向けて、日韓の姉妹大学や自治体住民同士で、再生可能な自然エネルギ―の共同開発や利用、廃棄物のゼロエミッションといった東アジア循環型社会を如何に実現していくかについて考えます。
第4回 東アジア人歴史共同体構築のための
     「超国籍人」教育のあり方
ゲスト:李 東碩(広島大学総合科学部 助教授)
企画の最終回では、経済のグローバリゼーションという世界経済構造の大転換に伴い、貧富の格差、飢餓や貧困の蔓延、少子化や高齢化、「種の終焉」の危機、テロや大量殺戮戦争といった、世界「反平和」的状況が加速する現状と近未来について考えます。その上、このようなグローバル・キャピタリズムの加速に対抗して、私達日韓の地域住民が、「東アジア人歴史共同体」を如何に構築するかについて考えます。とりわけ、諸国民国家を単位とした歴史認識と、それに基づいたナショナリズム教育が、私達東アジア人が現在直面する諸問題の解決にどれくらい有効なのかを検討します。さらに、国民国家を越え、大量生産・大量消費・大量廃棄の世界一の集積地である東アジア地域において、私達日韓の地域住民が、「超国籍人」として生まれ変わるための実践課題を具体的に提案します。


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