2008 広島大学・中国放送共同制作番組 広島大学テレビセミナー・ラジオセミナー

広島大学テレビセミナー1「大学病院は今」
 急速な経済発展をとげるインド。その巨大なパワーが今、世界の注目を集めています。
「インド・パワーのひみつ」は、そんなインドの不思議な魅力をインドとさまざまな関わりを持つ4人の講師のユニークな視点を通して紹介します。
 はじめに、地理学の視点から、インドの経済発展のひみつを、人々が暮らす都市と農村の現場から探ります。次に、政治学から、核兵器保有国であることを宣言し、核不拡散条約にも入らずに国際社会の承認を受ける、したたかな政治大国インドを紹介します。そして、宗教人類学から、ベンガル地方の農村社会のくらしを通して、不思議なヒンドゥー社会の成り立ちを紹介します。最後に、文化人類学から、南インドの2つの移動民コミュニティの生業を通してインド商人のたくましさの原点を探ります。

<放送のご案内>
  第1回 第2回 第3回 第4回 放送時間
放送日(毎週土曜) 10月31日 11月7日 11月14日 11月21日 午前5時15分−5時45分
再放送(毎週日曜) 11月1日 11月8日 11月15日 11月22日 深夜2時30分−3時00分

再々放送(木・金曜)

12月24日 12月24日 12月25日 12月25日 午前4時30分−5時30分
※放送時間が変更になることがありますのでご承知おき下さい。
※放送時間の「深夜」は月曜早朝のことです。
聞き手:石田 充

第1回 都市・農村からみるインドの経済発展
岡橋 秀典(おかはし ひでのり)[文学研究科 教授]
躍進するインド・パワーの秘密を、人々が暮らす都市と農村の現場から探ります。経済発展にともないインドの諸地域は大きな変化を遂げました。経済発展を牽引し、急速な繁栄を遂げる大都市(特に首都デリー)と、膨大な数の人々が生活する農村に焦点を当ててその実態を紹介し、今後の課題を検討します。経済発展は都市と農村のくらしを向上させてきましたが、同時にさまざま問題も引き起こしています。地域間の格差が広がり、社会が不安定化する可能性など、これからのインドの持続的発展にとって何が重要なのかを、地域の実態をもとに考えます。
第2回 政治大国インド
吉田 修(よしだ おさむ)[社会科学研究科 教授]
核兵器保有国であることを宣言し、核不拡散条約にも入らないまま、いつの間にか国際社会の承認を受けている、したたか な外交大国インド。その背景には、初代首相ネルー以来の、アジアの、あるいは非同盟諸国のリーダーとしての強烈な役割 意識がありました。「世界最大の民主主義」としてのインドの特徴、特に、カースト集団が差別のためではなく自身の社会的 上昇のためにその結束力を利用しようとしているインド型選挙民主主義の発展にも焦点を当て、インドの活力の源泉を垣間 見るとともに、国民統合など直面している課題に目を向けます。
第3回 農村からみるインド
外川 昌彦(とがわ まさひこ)[国際協力研究科 准教授]
インド東部のベンガル地方は、1年の12カ月に13のお祭りがあると言われるほど、多様な民俗行事がみられます。 第3回は、ベンガル農村社会のくらしの諸相から、多彩な村の民俗神の世界と、農村社会の基盤となるカースト制度の成り立ちを紹介します。経済躍進を遂げる現代インドの華やかなイメージの一方で、いまだに人口の7割以上の人々は、農村社会に暮らしています。貧困や因習に縛られた姿で語られることの多い農村社会には、しかし意外なところで躍進する今日の、インド社会のひみつをみることができます。
第4回 商業移動民からみるインド
岩谷 彩子(いわたに あやこ)[社会科学研究科 准教授]
インドを旅する外国人は、土産物売りや乞食、占い師や見世物芸人などに遭遇することがあります。彼らの多くは、カースト単位で都市と農村の間を移動し、サービスや情報を提供してきた商業移動民です。彼らがインド社会で果たしてきた役割について、南インドで狩猟採集と行商を生業としてきたヴァギリと、占いを生業としてきたナイカンという2つの移動民コミュニティを紹介しながら考察します。移動先のニーズに応じて自らのサービスの内容や外見までも変える彼らの生業戦術には、インド商人のたくましさの原点があります。