2010 広島大学・中国放送共同制作番組 広島大学テレビセミナー・ラジオセミナー

宇宙人は何人いるの?〜地球外文明の数を“科学的”に考える〜
広大な宇宙に宇宙人は何人いるのでしょうか?誰しも一度は考えた事があるこの禁断の疑問(問題)を、研究分野の異なる5人の学者が、地球外文 明の数を推定する「ドレイクの方程式」をもとに、科学的に解いていきます。 しかし、「ドレイクの方程式」にはまだ「正解」はありません。ただこの「解らないこと」を、ワクワクしながら論理的に考え、突き詰めて行く事が科学研究の楽しさであり醍醐味です。どうぞみなさんも一緒に、「科学」を楽しみましょう。 

<放送のご案内>
  第1回 第2回 第3回 第4回
放送日(毎週土曜) 11月6日
5:15〜5:45
11月13日
5:15〜5:45
11月20日
5:15〜5:45
11月27日
5:15〜5:45
再放送(毎週日曜) 11月7日
26:55〜27:25
11月14日
26:50〜27:20
11月21日
26:55〜27:25
11月28日
26:25〜26:55

再々放送

12月21日
5:00〜5:30
12月22日
5:00〜5:30
12月23日
5:00〜5:30
12月24日
5:00〜5:30
※11/7(日)、11/14(日)「世界バレー」のため5分刻み最大30分延長あり
※放送時間が変更になることがありますのでご承知おき下さい。

第1回 ドレイクの方程式と現代の宇宙像
寺田健太郎(理学研究科 教授)
川端弘治(宇宙科学センター 准教授)

1960年代、アメリカの天文学者フランク・ドレイクによって地球外文明の数を推定する方程式(通称ドレイクの方程式)が提案されました。 今も色褪せないこの方程式の意味するところを考えます。
 観測が進み、星の進化、宇宙の階層構造などが明らかになってきました。後半は、現代の宇宙像と、東広島天文台の「かなた望遠鏡」の最新研究成果について、天文学の立場から解説します。

第2回 地球誕生と生命誕生の妙
寺田健太郎(理学研究科 教授)
相田美砂子(理学研究科 教授)

 これまでに、惑星は400個以上見つかり、宇宙における惑星誕生の普遍性・多様性が議論できるようになってきました。最近の天体観測の結果 をベースに、地球誕生の条件について、惑星科学の立場から考えます。
 原始地球では無機物から有機物が、そして更に複雑な高分子生体有機物(核酸や蛋白質)が”化学的”に合成され、やがて自己複製や代謝を 行う生命体が誕生しました。これらのプロセスについて量子化学の立場から解説します。

第3回 生物の多様化と文明の寿命
土屋英子(先端物質科学研究科 教授)
寺田健太郎(理学研究科 教授)

 約38億年前、単細胞だった生物は、独立栄養型の細胞(光合成、化学合成をする細菌)の出現、これらの共生による真核細胞の出現をへて、知的生命体へと多様化しました。この単細胞生物から知的生命体への進化(変異?)は、偶然だったのでしょうか? 必然だったのでしょうか? 分子生物学の立場から考えます。
 恒星進化論から、太陽や地球の存在は未来永劫ではないことがわかっています。一方、太陽系のタイムカプセルである隕石を探ることで、太陽系の過去46億年の歴史がわかります。地球で文明が存続する割合について、宇宙地球化学の立場から考えます。

第4回 人類の進化と地球外文明の数
坂田桐子(総合科学研究科 教授)
寺田健太郎(理学研究科 教授)

 人類は、500万年前にチンパンジーと分岐し、猿人を経て、数万年前から人間的な知的活動を始めました。DNAの塩基配列で比べると、わずか約1 %の違いしかない人類が、地球外生命を探査し、自身の生活圏を宇宙空間へと拡大しようとしています。これらの営みについて、人間科学の立場から考えます。
 最後に、分野の異なる研究者の知見を結集し、「ドレイクの方程式」をもとに、銀河系に存在する地球外文明の数について多角的に考えます。果たして、宇宙人はいるのか、いないのか? 乞うご期待です。