第464回中国放送番組審議会の審議の概要

(於 中国放送役員会議室)

第464回中国放送番組審議会は、6月25日午後3時から開かれました。
今回は、5月31日金曜日午前11時から放送された民教協番組「親の目子の目〜肝っ玉ママでいこう」を審議しました。
民教協の番組は、民間放送局が系列を超えて教育の機会均等と振興に寄与する目的で設立され、現在加盟32局が毎週30分番組を1本制作しています。
今回RCCが制作した「肝っ玉ママでいこう」は、シングルマザー所謂母子家庭の親と子の様子をざっくばらんに描いた作品です。
委員の皆さんの主な御意見ご感想は以下の通りです。

  • 偶々この番組は見ていましたが、広島弁が強すぎて全国放送となるとどうなのかなと感じました。
    内容については、私も離婚経験者ですが余りに離婚したことを気にし過ぎた描き方ではないかと感じた。
  • 自然に描かれていた。男の子が年齢よりも物が分ったような言い方をしていたが、こましゃくれた感じがしなくて良かった。それは離婚した親と特別な触れ合いが有ったからなのか、もう少し描きこんで欲しかった。
    お母さんの問題点については、抽象的な言葉では語られていたが、どのような気持ちでこの何年間生きてきたのかなどクリアにはなっていなかった。全体的にはすっきり見られる番組でしたが、もう少しインパクトが欲しい感じがした。
  • 普通の人への取材と言うのは一番難しい。一般的には取材者は表に出ないが、今回は表に出ることで、意外とすんなりと取材に入って行けたのだと思う。
    肝っ玉ママという情報誌をもう少し取り上げても良かったのではないか。主役の女性以外のシングルマザーがどのような悩みを持っているのか、子供の心とどのように向き合っているのか情報誌を通して分れば、もっと広がりと厚みが出たのではないかと感じた。
  • 子供もしっかり育っているし、離婚家庭の中で恵まれているケースだと思います。離婚してシングルマザーになった場合と、はじめからシングルマザーを選択した場合と事情が異なるとは思うが、子供同士の中での差別だとか子供の側の悩み、お母さんの女性としての悩みといったものが画面から感じ取れなかった。
    又取材する側とされる側との意見交換や母親の心の葛藤だとか描かれるかと思ったが、それほどドラマチックでもなく、どこに焦点を置きたいのか見えて来なかった。今後、離婚は増えてくるが多様な問題点なり危機感なりを探って欲しかった。中味は暗いが、番組として明るく仕上げている手腕は評価したい。いずれにしても、難しいタブーとされるテーマを取り上げてご苦労されたのではないかと思います。
  • 見ていて少し気になったのは、離婚は悪いが前提になっているのではないかということ。悪いと思っているから子供への対し方も難しくしている。
    離婚は悪は我々古い時代の考えであって、両親が揃っていても親子の関係が巧く行っていないケースは多々ある。離婚したって良いじゃない悪いことじゃないの立場に立った番組を1本作って貰いたい。
  • 十人十色の見方・考え方があって、難しいテーマだと思う。肯定的に見れば、離婚という状況下に陥った。でもシングルマザーはこのように頑張っていると応援番組的に追いかけている番組だと云える。
    ただ危惧するのは、シングルマザーという格好いい表現で、安易に結婚し子供を産み離婚する。シングルマザーになっても社会は受け入れてくれるから頑張ろうよ的になること。もっと頑張る方法があるのではないかと思ってしまう。
    色んな見方、感じ方がある中で、製作者が訴えたかった真意は何なのかボケていたように感じた。
  • このような情報誌があることを知らなかったシングルマザーの方にとっては、番組を見て情報交換するキッカケになって良かったのではないか。
    ただ主人公の家庭は裕福というか恵まれている家庭です。一方で母子手当を受けながら、子供の面倒を見てくれる両親も居ないアパートで、自分一人で一生懸命働いているお母さんもいる。そのような家庭も取材すればもっと良かったのかなと個人的には思う。
  • 男性と女性とで見方が違うだろうなと思いながら見ましたが、タイトルとのギャップを感じた。それは子供の方が逞しいとの印象を持ったことで、子供の「聞いても聞かなくても」という言葉だった。残念ながらお母さんの印象は薄かった。
    シングルマザーの方は頑張っている姿を見て勇気づけられたと思いますが、一般の人はおじいさんおばあさんの支えがあって恵まれた環境だなと感じるのではないかな。番組を見て思ったことは、子供にとって親の価値観とか人生観など今は関係ないことで、むしろこれから関係が出てくるのかなということ。父親の存在意義を感じながら見せてもらいました。
  • 日本では、まだ離婚は暗い話題と見られるが、既に社会現象となっているし、これからも増えていくでしょう。原因はともかく現象として出ている問題をどのように前向きに解決していくか、こちらのほうが大事だと思います。
    全体的には、母親の捉え方に若干離婚に対する罪悪感が強く出ていると感じられた。父親の問題などきちっと話し合う必要がある、その葛藤の部分が分り難かったが、まとめとして気にせず前向きに生きていこうの明るい方向が出ていて良い作品だったと思います。
などの御意見を頂きました。

平成14年6月25日
中国放送番組審議会
出席委員(敬称略)
委員長
上田 良文
 
委員長
久保田文也
 
委  員
野村 純孝
上田みどり

清水 恵
山坂 淑子

丸本たかし
奥原 祥司

青木 暢之
 
以上、9名の方々です。

以  上

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