第477回中国放送番組審議会の審議の概要

(於 中国放送役員会議室)

 第477回中国放送番組審議会は9月9日に開催され、ラジオ・テレビの10月新編成について報告した後、番組審議を行いました。
 まず、ラジオは、共同聴取率調査の結果、12歳から69歳では前回とほぼ同じ、20歳から39歳は、初めて広島FMを抜きトップに立ちました。
RCCのターゲットである特に30代の男性では、2001年が3.8%だったものが5.0%となり、大幅にアップしました。また、シェアは30代の男性の57%がRCCラジオを聞いていただいている。この秋については大きな改編はなく、ナイターオフに伴い9月29日から、「活力増進アワー」を夕方5時50分から6時55分まで放送します。パーソナリティに地元のフリーアナ大松しんじと藤田弘之を起用し、働く皆さん向けに80年代の音楽を交えながら豊富な情報を伝えていく番組です。その他、一昨年放送しました「宮崎美子のみんながほっと介護保険」をRCCが制作し全国33局にネットするなど報告しました。
 一方、テレビは、この4月に始まったドラマが、日曜日以外軒並み低迷したことから大幅に変わります。水曜日の午後10時「私たちが愛した男」、木曜日の「エ・アロール」、「マンハッタン・ラブストーリー」、「ヤンキー、母校に帰る」、日曜日の21時から「末っ子、長男、姉3人」などが新しいドラマとしてスタートいたします。
 その他、火曜日の「ぴったんこカンカン」が54分枠に、土曜日は「王様のブランチ」を12時〜14時まで放送し、吉本新喜劇が日曜日に移動します。
 そして、日曜日の深夜、26時20分からは「京極夏彦 巷説百物語」というアニメ番組を放送します。広島大学テレビセミナー、今年は「素敵に老いるために」と「大地震に備える」この2つをテーマに放送します。今回の改編率が全日で11%、ゴールデンタイムで27.3%、プライムタイムで30.1%となっています。また自社制作率も20%をキープしていますなど報告しました。

 引き続き8月6日に放送したテレビ番組「戦争と暮らす〜2003広島」を審議しました。
 この番組は、現在の戦争への流れの状況を、市民が皮膚感覚でどういうふうに感じているのかということを、日記形式で描けないかと制作したものです。
 視聴後、委員の方々からは次のようなご意見・御感想をいただきました。

  • (A委員)
     今日は、感想と言われても難しいですね。率直に言って、平和問題に対しては私自身が実に矛盾した毎日を送っていると感じているからです。我々の世代は、ちょうど全共闘のハシリでした。平和問題と言えば反米運動をやっていれば良かった時代ですが、今の戦争・平和問題というのは、いろんな要素が入ってきて難しい問題だといつも思っている。その答がない!いつもそんな感じでモヤモヤしております。だから有事法制なんかの問題も、おかしなことをやるなと思いながらも、何もしていないという葛藤を常に持っています。ただ一つ、子ども達が、新鮮な発言をしていたので、ハッと思い、まだまだ大丈夫かなという感じがして、自分自身に対しても問いかけができたと感じています。


  • (B委員)
     各世代にいろんな問題を投げかけるという趣旨は、よく感じ取れたように思います。要するに普遍的というか、まんべんなく視聴者に問いかけるみたいな意味合いを狙っていたとしたら、私は十分に成功した番組じゃないかなというような印象を受けました。


  • (C委員)
     新しい切り口が何かというのは非常に難しいことですが、常にジャーナリズムとして、この21世紀の平和報道のあり方というのを模索していただきたい。そういう面から見ると、これまでと同じパターンで、どうかなという気がしました。ここ十数年、継承ということが大きなテーマになってきていると思いますが、本当の市民レベルで何ができるのか。広島県が言っている「作りだす平和」とか、外務省が言っている「人間の安全保障」という新しい言葉の現実、それを広島の被爆地としてどう切っていけばいいのか。これは私達の課題でもあるわけです。
     2005年が被爆60周年ということで、被爆地のメディアとして、これを踏み台にしてさらに骨太な、市民に広島の新しい役割がどうなのかと問いかけをしていただくような番組を作っていただきたいと思います。


  • (D委員)
     被爆の話とか、9・11の話、基地の問題、有事法制、北朝鮮の問題から、低空飛行の問題と、全体がバラけていて、どこに焦点を当てているのかよく分からなかった。 唯一、反戦の形と言いますか、市民運動としてこれは少し新しい動きになるなと感じられたのは、今年の3月2日、ノーウォーという人文字を作りました。かなりの人数の市民が集まって、人文字になって反戦を訴え世界にアピールしました。少しは市民一人一人の意識を喚起するような形が生まれつつあるのかなという期待を持っています。広島は「戦争と暮らす」というよりも、むしろ「平和と暮らしている」という、ちょっと平和ボケの人間が多いような気がするので、もう少し強烈な印象を与えるような何かを、画面の中で出していかないと一寸弱いというふうに思いました。


  • (副委員長)
     どうも皆さんのご意見を伺いますと、取上げるテーマが多すぎて、逆に「戦争と暮らす」というテーマから離れて行っていると言いますか、視聴者がディレクターの意図していることを感じることが出来なかったということだろう思います。
     それから、広島は平和ボケとは言いませんが、私のような若い世代では、戦争の真実を知らないで過ごしているのではないかと思います。子ども達も含め体験していない世代が、戦争の真実を学習していかないと間違った方向で、テロであるとか戦争や広島の歴史を理解していくのではないかなという気がいたします。取材者の側がもう少し掘り下げて、一つ一つを取材し、ちゃんと表現していかないと、誤解を招くもとになるのではないかと思います。
     コンセプトが市民の平和運動であれば、市民運動を中心に構成されたほうが良かったのではないかなと思います。


平成15年9月9日
中国放送番組審議会
出席委員は
副委員長:久保田文也
委員:上田みどり 青木暢之 黒木義昭 岡本 彰
以上、5名の皆さんです。

以  上

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