第478回中国放送番組審議会の審議の概要

(於 中国放送役員会議室)

第478 回のRCC番組審議会は、10月28日開催されました。
今回は、ネット番組の審議に続き、マスコミを賑わしている視聴率不正操作問題についてその背景など説明しました。
まず、この秋スタートしたネット番組『探検!ホムンクルス〜脳と体のミステリー』を審議しました。 この番組は、ホムンクルスという脳の感覚中枢、脳と体を結ぶパーツを表す言葉をキーワードに体、どうして人が好きになるのか、その時脳のメカニズムはどうなるのかなどTBSが得意とするジャンルの番組です。
番組視聴後、各委員の方々からは次のようなご意見ご感想を頂きました。

  • 最初にTBS系が得意分野とする知的エンターテイメントという説明がありましたが、知的というだけじゃなくて非常にハートの中にフワッと溶け込んでいくものだったなと思います。
    それと司会をやっていた二人ですが、お笑い系のふざけた感じのタレントとは違って、若いのに、非常にいい雰囲気の司会者だったと思います。ただ、草野さんをもう少し生かした使い方をして欲しいと感じました。


  • 「ホムンクルス」とは、どういうことなのかなと思って見ました。運動神経に記憶力、私も常に同じ運動ができればゴルフも巧くなるのでしょうが、なかなかそれができないところが難しい。その辺りのことを、もう少し解明して欲しいなという気がしました。
    それと、最後に中村コウタロウ君が出てきました。非常に努力されていて、誰でも感動されると思います。五体満足の我々は、もっと頑張らなければいけないというメッセージじゃないかと思います。余りにも初回が感動的なものでしたので、次回からどんなことをやられるか期待しています。


  • この番組を見せてもらいまして、非常に感動しました。知的というのではなくて、心をゆさぶるいい内容だったと思います。体に障害を持たれたコウタロウさんが、いちばん最後に言った言葉が、本当に良かった。今の境遇をものともしない、普通なんですよという考え方。この番組は、小学校や中学校などで教材として取り上げていただきたいと思います。


  • 私、基本的にはこういうものが好きです。他局ですが、TOKIOがメインで色んな体験をしていく番組があります。あの番組の二番煎じかなというふうに思いましたが、逆に特化していった。基本的には、二部構成で、運動をテーマにつながりがあり、良かったんじゃないかと思います。この番組、ひょっとしたら毎週見ることになるかなと思ってしまいました。内容的には、お笑いだけをとるバラエティとも違う、でもおもしろい、見応えがある。そして心に響くものがあるということで、非常にいい番組が一つできたのかなと喜んで見させていただきました。


  • おもしろく見させていただきました。二部構成で、後半の「レッツ・ビー・フレンド」。これが、今後どういう展開を見せていくのか逆にちょっと心配になったぐらいなんです。それだけ感動的というのか、衝撃的で、インパクトが強烈だったですね。これからどういう方向で、こういう人物を探し、テーマを掘り下げていくのかなというのは、余計なことかも知れませんが、出だしが良いだけに大変だなと思いました。
    前半の運動神経の方は、期待したよりは、ちょっと物足りないかなという印象がしました。脳の記憶云々というのは、たぶん一流の運動選手であれば、あそこまでは把握しているのではないかと思います。その先は一体何なのか。その部分をもう少し見たい、知りたいとの思いが残りました。


  • 私も、こういう脳と体を結ぶメカニズムを知るなどのテーマはすごく好きで割とよく見ますが、もう少し掘り下げが欲しかったです。たとえば数値的な物が出るとか、それが解明できているなら、分かりやすい図式で見せるとか。顕微鏡的なもので、こういうものが体から出ているからこうなっているとか。そこら辺がもうちょっと知りたいなと思いました。それから登場人物ですが、草野さんの出番がちょっと少ない。巧く使っていないと思う。反対に、大橋巨泉がなんであそこで出るのか。時代に逆行しているような感じがしました。前半は期待したほどのものがなかったが、後半は、とてもいい捉え方をされている。明るいけれども、やっぱり重いものがズッシリこちらに伝わって来ると言いますか・・・。そういう意味では、良かったというふうに思いました。


  • 僕は素直にいい番組だったなと思いました。興味を引く意外性が最初にあって、その謎解きというのがクイズ風でいろいろ入ってきて、起承転結が割ときちんとしていて良かった。今日の番組を見る限りは、二本柱がきちんとしていたと思います。


  • 私も率直に良かったなと思って見ました。前半は、どの程度脳の解明ができているのか分かりませんけれども、あれ位のことしか分かっていないのかも知れません。これからどういう展開を見せるのか期待したいと思います。
    後半は、重くて、すごいと思って感動しました。本人もそうだけれども、お母さんもすごいと思って、私は、あのような立場になれるかなあと自分を反省しながら見ました。


  • 私も皆さんと同じ感想で、やはり久しぶりに感動するテレビを見たなと感じました。
    TOKIOは今、他の番組でも結構いい味を出しているので、若い人にも受けるのではないかと思います。エンディングの音楽も、いい感じで良かったと思います。


  • 私自身も皆さん方と大体同じような印象を持ちましたが、非常にテンポが良くて無駄がない話の進め方だという印象を持ちました。




続いて、日本テレビの視聴率不正操作問題についてその背景など説明しました。

 他局の話とは言え、民放の世界では本当にやってはいけないことをやったということで大変恥ずかしい限りです。実はこのような視聴率の統計表が毎日出ます。自分の作った番組が何%であり、他局と比べてどうだということが分かるようになっています。全国で視聴率調査対象となる世帯は8000で、東京・関東地区は600 。広島地区は200 世帯です。全国で8000という数字は、統計学的に言えば成り立つということになっています。
 それが毎日、朝5時に始まって翌朝の5時まで毎朝データが各局に配信されるわけです。もっと細かいデータがあり、1分毎の視聴率が出ます。ビデオリサーチ社は国内最大の調査会社で、現在テレビ局が使っているのは全てビデオリサーチ社のデータで、今度の事件は、視聴率を上げたいがために、去年の夏ぐらいから日本テレビのプロデューサーが探偵社・興信所に頼んで、ビデオリサーチの車をつける。いろんな保守をしないといけませんから、車がビデオリサーチから出て行くわけです。それを追尾して、機械を置いている家庭を表示して工作をしたということです。ビデオリサーチ社にとっては、どの世帯が調査対象かというのは極秘中の極秘です。これが分かると商売ができませんし、我々も全く知りません。
 この視聴率不正操作問題は、局長会議などでも取上げ、制作現場を中心に厳にそのようなことのないよう改めて徹底するよう指示を出しました。
 これに対して、委員長からテレビというものは速報性と視聴率という、この2つに余りにもこだわり過ぎると、報道番組については正確さと内容、番組としての質の高さを損なう危険を孕んでいる。残念ながら、視聴者自身が、番組の質の高さを的確に選別して視聴している段階になっているわけではない。結局は、見る側もさることながら作る側のギリギリの判断というものが求められている。それが局の見識と言われているものだと思います。それをマスコミに期待しています。との言葉がありました。

平成15年10月28日
中国放送番組審議会
出席委員は
委員長:生和秀敏
副委員長:三好久美子
委員:山坂淑子 野村純孝 丸本たかし 上田みどり
    奥原祥司 青木暢之 黒木義昭 岡本彰
以上の皆さんです。

以  上

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