第463回中国放送番組審議会の審議の概要

(於 中国放送役員会議室)

第463回中国放送番組審議会は、5月28日午後3時から開かれました。
今回は、5月25日土曜日午前10時50分から放送された1時間番組「ラブ・ストーリーズ」〜広島の愛を集めた涙と感動のドキュメント〜を審議しました。
この番組は、開局50年関連の愛をテーマした番組で1回目は、今年の1月1日に生放送でスタートし10月の一斉ゴールを目指し、6番組が継続取材・番組制作をしています。
今回は、折り返し地点ということで「ダンスに賭ける青春白書」、「ミニケン」、「開拓父ちゃん」「サンフレッチェの森崎兄弟」の4番組から構成しました。
委員の皆さんの主な御意見ご感想は以下の通りです。

  • 世代が違うからだろうか、「ミニケン」のオーディションに自分の子供を出す親の気持ちが良く分らない。この番組のどこがラブ・ストーリーズのラブなのか、ちょっと理解できない印象がした。何か踊らされているようで題材としてしっくり来ない。
    「開拓父ちゃん」は、子供達と一緒に生活する大切さを選んだ訳だが大変な生活だと思う。何故このような道を選んだのか動機の部分が今一つ分らなかったが、周りの人達との触れ合いも描かれていてラブで捉えられる。子供達も生き生きとして可愛いなという印象を持った。
  • 「ミニケン」のパートについては、率直に言って子供を商売にするのは好きではないが、このユニットは短期間10月には解散するということなので、子供達がオーディションに挑戦することで良い経験ができるとすればいいのかなと思う。
    「ダンス」パートは、全く独自性が無いと感じた。主人公の二人にどのような友情、あるいは交流があるのか。番組の中で相手の話題は出て来ない。たまたまダンス教室で出会った二人がオーディションを受け、一人は合格し一人は不合格になった。進む道が全く違うものをそのまま描いている。愛をテーマのこの番組が、クローズアップする題材なのかなとかんじた。
  • ラブ・ストーリーズという括りをして取り上げているが、二通りあると思います。
    日常生活から離れて、目標なり希望を浮かび上がらせて視聴者に伝える。
    日常生活とどこかで接点があって、自分との関わりの中でもう一つの愛を伝える。
    4パターンの作品は、どっちなのかと思って見たが、どっちとも言えないものでした。
    「ミニケン」の中で、お母さん方が「何かを体験できたのではないか」とか「良い体験が出来た」と言っていたが、やりさえすれば「いい体験」とは言えない。子供にどのような変化があったのか、いい効果が認められて初めて言えることではないでしょうか。
  • それぞれ良いなと思いながら見た。「ミニケン」については、250人の応募があったということは、それなりに子供の側に認識があるということ。親が薦めたのか子供が出たいと言ったのか、どちらが言ったのか分らないがスターを目指して応募するというのは、目の前に目標があるということであり、良い事ではないかと思う。
    最近、子供の世界に競争が無い。成績順位をつけない、スポーツでタイムトライアルをしない、これで良いのかなと思う。オーディションへの挑戦は、子供にとってプレッシャーがあったかもしれないが、色んなことを体験してその中から何かが生まれるのかなと、一過性かもしれないがそう感じる。
    「開拓父ちゃん」は、農業に賭けるこの人の生き様はすごいなと思った。多分自分にはできないと思う。今の時代に、これほど欲がない人は珍しいと感じた。
    「サッカー」については、私もサッカーをやっていましたし、学生のコーチもしていましたので分るのですが、双子の兄弟というのは神秘的な部分がある。一方が怪我をすると、必ずもう一人は調子が悪くなったりする。将来、兄弟でオリンピックを目指す地元出身の二人です。兄弟愛が芽生え、双子故のアイコンタクトが磨かれて彼等を光らせる。双子の兄弟の部分と神秘性の部分が描き出せれば、もっと良かったと思います。全てを通して言えるのは、生の人間模様が描かれていた。それぞれに年代、経験によって感じ方が違う。それで良いのだと思う。感動や希望を与えてくれれば良いのかなと感じました。
  • 「ミニケン」に250人の応募があったと言うことですが、これは「ミニモニ」が今流行っているから応募が多かったのであり、親の価値観で「良い経験が出来た」といっているのではないか。もっと違う経験なり教育があるのではないでしょうか。
  • 全体的には良い話しを紹介していると思いました。姿勢も充分伝わりました。
    番組のサブ・タイトルになっている広島の愛と涙の感動ドキュメントに繋がらないととの意見もありましたが、視聴者が見た場合何かが欠けていたのだと思う。それは、登場した主役達の動機!どのような思いでチャレンジの場に出てきたのか、背景が伝わらないとそのチャレンジが見る側に伝わらない。そこが伝われば正面から受け止めてもらえたのだと思います。ひとりひとりの動機の説明が不足していたように思います。
などの御意見を頂きました。 続いて、メディア規制3法案について、前回の審議から1ヶ月が経過した所で率直な意見を伺いました。
    メディア規制3法案に対する中国放送番組審議会の見解

    メディアの社会的使命は、メディアに『言論と表現の自由』を保障することなしには果たしえない。しかし、残念ながら、このたびの「メディア規制3法案」(人権擁護法案、個人情報保護法案、青少年有害社会環境対策基本法案)は、この『言論と表現の自由』を抑える内容を含んでいると言わざるをえない。中国放送番組審議会は、『中国放送放送基準』に則り、中国放送の番組全般を審議するものであるが、この『放送基準』の基本精神、即ち中国放送の社会的使命を遂行するうえで「メディア規制3法案」が重大な障害になることを危惧するものである。

    メディアの側が、一般市民のプライバシーや人権を十分尊重すべきこと、さらに青少年への影響を十分に配慮すべきことは、当然の義務である。一部のメディア側にこの義務を軽んずるケースがあったという事実を、我々は軽視するわけにはいかない。しかしこのようなメディア側の義務は、メディア全体の自主的自発的なチェックによって果たされるべきであり、全メディアが早急にそのような自発的なチェック体制を整備すべきであることは言うまでもない。

    中国放送の『放送基準』は、「一般市民のプライバシーや人権、および青少年の健全な発育に対する配慮」という点に関して厳しい遵守義務を設けており、当番組審議会はその厳正な番組審議を通じて、上記『放送基準』の遵守をチェックしてきた。今後とも上記『放送基準』の精神に従って番組審議を行うことを通じ、その社会的使命を果たすことを最大の責務と考えている。同時に、他のメディアが同様の基準を自らに課し、それを遵守する体制を整えることを求めるものである。

平成14年5月28日
中国放送番組審議会
出席委員(敬称略)
委員長
上田良文
 
委員長
久保田文也
 
委  員
三好久美子
久笠 信雄

清水 恵
山坂 淑子

奥原 祥司
 
以上、7名の方々です。

以  上

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