第466回中国放送番組審議会の審議の概要

(於 中国放送役員会議室)

 第466回中国放送番組審議会は、9月24日午後3時から開かれました。
 今回は、まずラジオ・テレビ秋の改編について報告し、審議委員の皆さんから了承されました。続いて番組審議に移り、8月6日に放送された原爆の日特番「小さな島の片隅で〜原爆小頭症 信子〜」を審議しました。
 この番組は、母親の胎内でしかも近距離で被爆し、知的、肉体的障害を持って生まれてきた信子さんを描いた作品で、現在も続く、偏見、差別、心の傷をテーマにしています。
 番組視聴後、委員の皆さんから次のような御意見・感想をいただきました。

  • (A委員)
    胸に迫る思いがした。長年にわたって取材をしてきたディレクターの意気込み、目的意識に対して敬意を表します。
    原爆後遺症を背負いながら生きる姿を見て、改めて戦争と原爆がもたらす惨めさを知り怖さを覚えた。家族1人1人の苦労や生き様をよく描写していることに感銘を受けた。今後も継続取材して発信していって欲しいし、信子さんには長生きして欲しいと思います。

  • (B委員)
    主人公の若い頃のモノクロ映像を挿入しながらの構成で内容的には、ショッキングな番組だなと感じた。ディレクターの姿勢は、気負うことなくドラマチックに仕立てることなく記録を淡々と描くことで、逆に訴える力を持った。差別とか偏見をナレーションで訴えるよりも映像を見せることでより鮮明になったと思う。
    家族はインタビューに対して、素直に正直に話している。発言内容を批判する人がいるかも知れないが、家族の苦悩を思えば批判できないのではないか。 これまで原爆関連の番組を色々見てきたが、風化が言われる中この番組は問題が終わっていないことを突き付けた。

  • (C委員)
    よく継続して取材している。制作者の優しい目が感じられてよかった。原爆報道は広島のメディアにとって出口の無いテーマだが、続けてほしい。

  • (D委員)
    感銘した。主人公の信子さんも年齢的に残り少ない人生だと思うが、これからも再々取上げて放送してほしい。原爆に対する関心が薄れていく中で、語り部とは違う、現実に生きている人をテーマにした作品は違った面を見せつける。広島だけじゃなく、世界に向けて発信していくべきだと思う。

  • (E委員)
    重いテーマでショッキングな番組でしたが、コンセプト、内容とも素晴らしかった。 継続取材をしているということですが、今後どのような人生をたどるのかを含めて一連の流が分かるような形、例えばデータベース化するなど多くの人が見ることが出来るようにして欲しい。

  • (F委員)
    番組を見て、今何もしないではいけないのではないか。私に何かできるのではないかと問いかけている感じがした。番組としては、中村克洋さんのナレーションも淡々とした語り口でよかったと思います。是非記録として残して欲しい。

  • (G委員)
    何かできる事があるのではないかという意見が出ましたが、例えば番組審議委員の私がこのような方と触れ合うことができるかと考えた時、難しいと思います。被爆者だけでなく身障者の方とでも同じだと思います。一つ危惧するのは身障者の方も同様ですが家族が居られる訳で、このような形で晒していいのかという問題です。

  • (委員長)
    番組を見終わって、やりきれない思いがある。家族も問いかけに対して隠すことをしていない。正直に描いているために家族がこれで良いのかと思ってしまう。
     全体的には、大量破壊兵器の廃棄だとか、戦争はいけないとの問題提起がない。そこまで高まっていないというか、戦争まで踏み込んで欲しかったとの思いはあります。

平成14年9月24日
中国放送番組審議会
出席委員(敬称略)
委員長
上田 良文
 
副委員長
桑田 整
久保田 文也
委  員
三好 久美子
野村 純孝

青木 暢之
清水 恵

奥原 祥司
 
以上、8名の方々です。

以  上

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