第467回中国放送番組審議会の審議の概要

(於 中国放送役員会議室)

第467回中国放送番組審議会は、10月22日に開催されました。
今回は、夕方の情報ワイド番組「ごじテレ」のニュースパートを審議しました。
まず、番組統括プロデューサーが、最近ニュースの傾向が大きく変化してきている。これまでの見せるニュースから見られるニュースを制作する。送り手側の一方的なニュースは、視聴者に支持されなくなりました。少しでも見てもらえる工夫をということで、構成もダイジェストの後特集を出すなどメリハリをつけています。加えて、スポーツコーナーを毎日6分放送していますと説明しました。
続いて、10月11日放送の【ごじテレニュース】を視聴しました。

委員の方々からは次のような意見・感想が出ました。

  • (A委員)
    特段、ニュース自体に変わったところはないが、メリハリをつけているかなという感じはした。ニュースの後に入るキャスターのコメントは、一捻りが欲しい。そうでないなら、敢えてコメントしなくても良いのではないか。
    企画ニュースは、何が伝えたいのか趣旨がはっきりしないところがあった。県警本部長と大学生が対話のニュースなどは、両者の話しが噛み合わなかったとのナレーションが入っていたが、噛み合っていない部分を紹介した方が面白かったのではないか。
    大きなニュースは別として、企画物より身近な生活に関連したニュースの方が視聴者にとっては興味があるのではないか。

  • (B委員)
    見られるニュースを目指していると言う事なので、編集の流れを注目して見たが、導入部に生活関連ニュースを持ってきて注目させ、真中辺りでヘッドラインを入れるなど中々上手に作っていると思う。ただ、ニュースを取上げる時期を考えて旬に放送して欲しい項目もあった。後半はミニニュースが続いたが一つ核になるニュースが欲しい。スポーツについては、新聞もそうだが扱いの比重が高くなっている。ただ二人の掛け合いがこなれていないし、もう少し中味に重点を置いた方がいいのではないか。若干浮いた感じがした。マスコミは、一回取上げただけでフォローがないものだが、もう一度検証をする姿勢は、地域の問題を掘り起こす意味からも大切だ。

  • (C委員)
    以前に較べて、視聴率は上がったのか下がったのかどちらですか。
     (P)6時台については、上がってきています。
    広島TVと比較してどうか。
     (P)残念ながら、まだ倍半分の差があります。

  • (C委員)
    全体的には、まだキャスターの個性が出ていない。それとスポーツコーナーで感じた事だが、広島ローカルの番組で関西弁を話すのは如何なものか。やはり広島弁で話して欲しい。話しは変わるが、ニュースというのは終わったことがニュースなのか。金曜日まではそれでいいが、土・日を控えた金曜日はこれから予定されている地元のイベント情報などが入れば時節柄もう少し盛り上がって見てもらえるのではないかと思う。視聴率も上がるのではないかな。

  • (D委員)
    二人のコンビは、当初もう一つだったが最近は好感を持って見られるようになったと思う。歴史を取上げたニュースは、我々の年代なら分かるが若い人達は理解できないと思うので、取上げるのならもっと詳しく深い内容にしないといけないのではないか。スポーツコーナーについては、2人が前出しの形で伝えているが、見ていて後ろが気になって仕方がない。後ろの人達も落ち着かないのではないか。横に並んで伝える形はとれないのだろうか。

  • (E委員)
    見せるニュースから見られるニュースへと言うことは、見るに堪えるニュースを放送するということだと思いますが、中にはもっと説明がないと分からないニュースがあった。10項目のニュースが取上げられていたが長く説明を求めるもの、短くお知らせ程度でいいものとをしっかり仕訳する必要がある。
    個別にいえば、カード詐欺のニュースは、情報を盗むということだがその手段、手口が分からないし、気をつけようだけじゃなくどのような対策をとればいいのかその情報がない。
    宮島の異常潮位のニュースは地球規模の問題で、原因が地盤沈下なのか温暖化なのか。折角、臨場感のある映像が流れているのに見ているものに危機感を与えないニュースになっている。それは新婚旅行者へのインタビューで、「良い記念になった」みたいなコメントを流すから茶化したように見える。これでは局の姿勢が問われる。
    人間魚雷 回天のニュースは、国の為に死ぬことが良いことだ。そんな時代であったの説明が要る。個人へのインタビューだけではなく、当時の社会情勢を織り込まないと若い人達には分からない。そのためには、この時間をもう少し長く取ってもいい。そうでないと、何の為にこのニュースを流したのかということになる。

  • (F委員)
    キャスターのコメントに、皆さん一緒に考えて見ましょうという箇所があった。ニュースはキチンと事実を伝える面と、それを通して考えて見ようの両面がある。長いニュースが、考えて見ようとするニュース素材にあたると思いますが、その場合一つだけの考え方、見方では面白くない。色んな見方や視点が出てきた方がいい。
    キャスターは、ニュースに対して自分の問題として考えて行けるようなコメントをするべきだし、歴史検証的なニュースはあの時代こうだっただけではなく、今後について考えさせるコメントが欲しい。ニュースによっては、深く継続取材をしている新聞記者に取材するなど、放送と新聞がタイアップすることがあっても良いのではないでしょうか。

  • (E委員)
    番組を進行する男女のコンビのバランスが、どうなのかと感じさせる。
    ローカルのニュースは、生でフレッシュでなくてはいけない。そうでなければ、全国ニュースと一緒で、身近な情報として視聴者の中に入っていかない。
    キャスターが中心となって番組を進めているが、キャスターは直接取材をしている訳ではないのでニュースを生で伝えられない。そうなら取材者がキャスターに多くの情報を伝えなければいけないし、現場を取材した記者が番組に出て伝えたほうが良い。
    それぞれ、いいニュースを流していると思うので、やり方であり出し方の問題なのでしょう。生、スピード、そして興味をひくニュースでないと、この時間帯視聴者の目を引かないのではないかというのが感想です。

  • (G委員)
    キャスターをタレントとして扱うのか、現場に出て記者的なこともするのか。
    いずれにしても、キャスターが「何に喜びを感じ、何に怒るか」をはっきり打ち出していかなくてはいけないのではないか。

  • (委員長)
    本来、番組審議会は放送された番組の内容に問題がなかったかどうかを審議する場ですが、番組プロデュサーがどちらかといえば視聴率アップを目指すなど経営的な説明をされたので委員の皆さんも、そのような見地から番組をみられて意見を出された。審議会の意見としてはメリハリをつけた編集になっているとの評価の一方で、もう少し面白さというか引き付けるものが足りないという評価だったと思います。 個人的には、ニュース番組として面白いか面白くないかの前に、視聴者に見ようと思わせるには、2つの条件があると思います。
    1つは、視聴者の生活に役立つものでなくてはならない。視聴者がニュースを見て情報・データが得られるというメリットが無くてはならない。事実を提供するだけでは駄目で、どう対処すればいいのかの解説が欲しい。
    2つ目は、ソフト情報を提供する。ニュースを見たり聞いたりした時、視聴者は自分で頭を使い考える。つまりコストをかけている。そこで、ニュースキャスターが自分の代弁者になってくれる。キャスターが、視聴者の意見を先取りするコメントが入れば納得させ、共感を持たせることが出来るのです。キャスターは、コメントをもう少し工夫する必要がある。そこが変わらないと、折角ネームバリューのある人を連れてきて努力しても視聴率に結びつかないのではないか。

    ネット番組に対する意見・要望があれば、伺います。
      特になし
    その他この一ヶ月RCCの放送に対して御意見があれば発言ください。
      特になし
    RCC側から報告事項があるそうです。報道制作局長 藤田一成さんお願いします。
    (藤田報道制作局長)
    広島県の新聞・放送等編集責任者会で集団的過熱取材問題に対する常設の窓口設置についてご報告します。
    概略
    ・常設窓口は責任者会の常任幹事社である中国新聞社編集局内に10月1日をもって設置する。
    ・苦情などの申し入れは、常設窓口だけでなく加盟各社、各記者クラブ、現場でも受付、必要があると判断した場合同責任者会に報告して協議する。各記者クラブ、加盟各社が受けた苦情などは、情報として幹事社を通じて加盟各社に流す(後略)などとなっています。

    では、これで第467回中国放送番組審議会をおわります。次回は、11月26日(火)15時に開催します。

平成14年10月22日
中国放送番組審議会
出席委員(敬称略)
委員長
上田 良文
 
副委員長
久保田 文也
三好 久美子
委  員
野村 純孝
上田 みどり

青木 暢之
清水 恵

丸本 たかし
 
以上、8名の方々です。

以  上

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