2008 広島大学・中国放送共同制作番組 広島大学テレビセミナー・ラジオセミナー

広島大学テレビセミナー1 「めざせ!カンタービレ 〜 発声ボディートレーニング」
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 このセミナーは,良い声で歌いたい人のためのワークショップです。良い声を出すためには次の3つ+1つ、つまり「冷静な頭」「コントロールのきく体」「情緒豊かな心」+「良く音を聴きとれる耳=音楽耳」が必要です。頭だけでもダメ,体だけでもダメ,心だけでもダメです。“体まるごと全部”を総動員して良い声で歌うためには、頭・体・心のバランスをとり、良い音を聴きとれる耳を育てられる発声ボディートレーニングを心がけなければなりません。
 このセミナーの特徴は,歌を習得するさいに,声というものが実態のないがゆえに使われる曖昧な言葉と表現について,医学的知識も加えてなるべく具体的に学べるよう工夫したことです。このワークを行うことで、みなさんが歌うときに問題だと感じている原因がどこにあるのか見つけて下さい。そして,声の中に生き生きした息の息吹が感じられる伸びやかでカンタービレ(イタリア語で歌うようにという音楽用語)な声で歌って下さい。

<放送のご案内>
  第1回 第2回 第3回 第4回 放送時間
放送日(毎週土曜) 10月4日 10月11日 10月18日 10月25日 午前5時15分−5時45分
再放送(毎週月曜) 10月6日     10月27日 午前2時30分−3時00分
  10月13日     午前2時25分−2時55分
    10月20日   午前2時45分−3時15分

再々放送(火・水曜)

12月23日 12月23日 12月24日 12月24日 午前4時30分−5時30分
※放送時間が変更になることがありますのでご承知おき下さい。
聞き手:藤村伊勢

第1回 「良い声」とはどんな声? 歌うための心身のあり方  

このセミナーでめざす「良い声」とはどんな声か?という声に関する話と,外国語と日本語の相違を手掛かりに,日本人と外国人の体・耳の使い方の相違を認識し、歌における体と耳の使い方につなげていきます。 ボディートレーニングとしては,心身療法で行われている方法を用いて自分の過緊張の度合いを体感していただき、声を出すという運動におけるリラックスの重要性を認識していただきます。

第2回 体のすべてが音を出すために! 歌うための呼吸・姿勢(骨の位置・筋肉の使い方)

呼吸と姿勢に焦点をあてたボディートレーニングを行います。呼吸では,胸式呼吸,腹式呼吸の自覚,横隔膜を認識していただくためのワーク、姿勢では「歌うための骨の位置」を自覚するために,姿勢の土台となる骨盤体操,首の体操,そして肩胛骨はがしを行い,歌うための骨盤・背骨・首という大きな骨の部位の連動を認識していただきます。加えて,骨を歌うための位置に移動させる際に伴う筋肉の使い方のワークも行います。

第3回 声から言葉へ,そして歌へ

第2回目で体を骨と筋肉という大きな2つの要素に捉えて,歌うための骨と筋肉の使い方のワークを行いました。
今回は横隔膜に関連する重心のワークと,ホールでも通る声で歌うために、距離を感じながら声を出していくワークを行います。そして,いよいよ声を加工して言葉にしていくための発音のワークに入りますが,ナチュラルな舌の位置と形状の認識,口の開け方,唇の使い方,舌の移動による母音の発音練習を行います。

第4回 第4回 カンタービレに「ふるさと」を歌おう  

歌う前のブレス練習,発声練習,そして「ふるさと」を教材としてとりあげて,実際歌を作っていく過程を体験していただきます。実態のないがゆえに,とらえどころのない声をできるだけ具象化するために,さまざまな動作を伴った発声練習を試みました。演奏という行為は,2次元の楽譜に書かれている音符を,3次元という空間に音として置いていく作業に他なりませんが、それは音と動作と連携して出せるようになってはじめて可能になるのです。